以前ABC2015Sニュースの中でも書きましたが、去る5月31日をもって、さいか屋川崎は完全閉店してしまいました(その代わり、さいか屋は川崎日航ホテルビル内にサテライト型ミニ店舗で再出発のようですが…)。これで、川崎駅前の百貨店・デパートは川崎ルフロン内の丸井・川崎店だけになってしまいました(丸井自体、専門店ビルに近いとして百貨店とは標榜していませんので、広い意味での百貨店・デパートとなります)。
それ以外に川崎駅前に存在したデパートはというと、岡田屋(前身の1社が同じ商号だったイオンとは全く無関係)は既に専門店ビル・都市型ショッピングセンター(岡田屋モアーズ)に業態転換済み。小美屋は閉店後、マイカル経営破綻の影響でビブレ新店舗への建替え再開発計画が頓挫、現在は全く別資本の専門店ビル、川崎DICE(ダイス)が営業中。丸井・川崎の向かい側にあった川崎西武はセゾングループの経営難・解体の過程で撤退、後継テナントはヨドバシカメラ・マルチメディア川崎ルフロンと各種専門店が営業中となっています。
さて、川崎DICE。京急川崎駅前にあり、東急ハンズやあおい書店、TOHOシネマズなどが中核店舗として営業しており、中層階に自転車駐輪場も入っているビルでもあるのですが、その地下にはさらなる秘密が。
実は、京急大師線の地下化計画に先行して、鉄道トンネルが建築されているそうです。京急蒲田・蒲田駅連絡線(蒲蒲線と呼ばれているもの)計画で同様のトンネルが建築されているという大田区役所ビル(建築当初は桃源社ビル、バブル崩壊で競売となり、大田区が落札)と似ていますよね。
ただ、京急大師線の地下化計画は産業道路駅の地下化・立体交差化工事がかなり進んでいる一方、川崎大師駅の地下化工事に入るかどうか準備の段階。港町駅は駅前マンション竣工(京急電鉄も売主になっている)で北口橋上改札口を設置してそれほど時間が経過していない。大師線直通も計画に入っていた川崎市営地下鉄(川崎縦貫高速鉄道)は、元住吉経由から武蔵小杉経由にしてまずは新百合ヶ丘・武蔵小杉間を第1期敷設にと計画変更したものの、(計画路線や軌間など要求仕様が複雑困難で未確定部分もあり)工事着工すらできておらず、事業会計は閉鎖。……これらから推測すれば、今後30年経過しても大師線地下化は工事中で未完ではなかろうか? 本当にやる気があるのだろうか? と疑いたくなるほどです。
(東京箱根間往復大学駅伝競走の難所の一つだった、京急蒲田駅付近の高架化・立体交差化は計画は2000年以前から叫ばれていたにも関わらず、京急空港線の羽田空港駅延伸直結線工事完成の次という順番があるとはいえ、ごく最近になって完成形になったこと、その間に日吉・綱島・新横浜・羽沢・西谷付近での東急・相鉄直通線工事が最盛期で進行中など民鉄他社に比べ計画から工事完成までスローペースになっていることからすると、想像に難くないですし…)。
なお、川崎DICEの地は、小美屋の前は、京浜デパート(京急ストアの前身。京急百貨店の遠い先祖)川崎分店、京浜電気鉄道(京急電鉄の前身)本社跡地らしいとのこと。そのまま京急電鉄系の施設で続いていれば、大師線地下化もあっという間に完成していて街並みも今とは全く違っていたかもしれません。